ニュージーランドの先住民族であるマオリのワインメーカー達

カイティアキタンガ/Kaitiakitangaというマオリの言葉がある。ニュージーランドの先住民族であるマオリ族が、土地や人々、文化を守ることを表す際に使われる。ここ最近、ニュージーランド全土で増え始めているマオリ族によるワイナリーも、この言葉を大切にしている。

トフ・ワインズ

トフ・ワインズは、南島の北端に位置するテ・タウイフに拠点を置くマオリ族所有のワイン会社で、ヘ・マタムア・タケタケ(マオリ族が所有、運営する世界初のワインブランド)として知られている。トフのワイン造りの哲学は、次世代のために土地を尊重、保護しながら、各地域特有の環境が生み出す風味を捉えたワインを造ることである。

 トフの全てのボトルには、シダの若芽である「コル」の模様をモチーフにした特徴的なロゴが施されている。マオリ族にとってコルは、成長、生命、自然界を象徴しており、トフは、ロゴに描かれた象徴的な螺旋が会社の成長と過去から今日までの人々の旅路を表しているという。

   

トゥク・マオリ・ワインメーカーズ・コレクティブ

トゥク・マオリ・ワインメーカーズ・コレクティブ
トゥク・マオリ・ワインメーカーズ・コレクティブ

トゥクは、世界初のマオリのワイン生産者団体で、土地、家族、ホスピタリティという共通の価値観に基づき、受賞歴のあるマオリのワイン生産者が集結している。

この団体は、ほとんどがマオリ族所有、そしてニュージーランド人所有のワイン会社により構成されている。メンバーはクル・クル、オスラー、スティーヴ・バード、テ・パ、ティキ・ワインズで、アオテアロア(ニュージーランド)有数のワイン産地からプレミアム品種を幅広く提供している。

 彼らはアイデアやマーケティング資源だけでなく、土地や家族、ホスピタリティといった価値観も共有している。トゥクという名前は、マオリ・アートのトゥクトゥク織物という装飾された壁板に由来する。

 

 

 

  • スティーヴ・バード・ワインズ

スティーヴ・バード・ワインズは、マナキタンガ(土地とお互いに対する寛大な精神、共有と思いやりという基本的思想)に基づいて運営されている、家族経営の小さな会社。スティーヴ・バード・ワインズは、地球とその持続可能性との深いつながり、そして最も重要なことはお互いの関係であるという本質的な信念が原動力となっている。

 

  • クル・クル

1836年、ヘイデンの4番目の曽祖父であるジェームズ・ジョス大尉は、ヘイデンのマオリの祖母であるンガイ・タフ族のクル・クルと結婚した。クル・クルのボトルには、マオリの社会で尊敬されていることを示す、祖母クル・クルのあごに刻まれたモコ・カウアエが誇らしげに描かれている。

 

  • テ・パ

テ・パの物語は1350年頃にスタートした。最初のカヌーがワイラウ砂州に砕け散る波に乗って、ワイラウ川の河口に向かったと言われている場所。おそらく、初めてアオテアロア、ニュージーランドの土を踏んだ人々だ。先住民族であるマオリがワイラウ砂州を自分たちの住まいとし、ニュージーランドで最も古い集落として知られる場所となった。それ以来、ワイラウ砂州の土地は、そこを故郷とする人々にとっての糧と豊かさの源となっている。

  

  • ティキ・ワインズ

ティキ・ファナウ(家族)は、ニュージーランド先住民族であるワイン生産者で、マオリの根幹となるカイカイティアキタンガ(地球の守護、保護、保全)に基づいてブドウ樹を管理している。創業者のロイス・マッキーンの家族は、何百年もの間ニュージーランドで暮らし、農業を営んできた。ティキという名前は、ロイスの偉大な祖父に敬意を表しているだけでなく、マオリ族の手彫りのお守りを示すものでもある。ティキを贈られると、他者へ幸運と愛を与えるとされている。ティキは、この精神を大切にしてワイン造りを行っている。

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