ニュージーランドワイン - サステイナビリティの強力推進

サステイナビリティはニュージーランドワイン産業に深く根付いており、この新しいワイン産業では見返りが大きいことが裏付けされたコミットメントである。

Plants at Akarua

ニュージーランドは40年以上前からオーガニックとサステイナブルなワイン造りの実践に取り組んでおり、今では世界最高の認証システムを持つ国の一つである。国内ワイナリーのほぼ100%が自主的にサステイナブル・ワイングローイング・ニュージーランド(SWNZ)に属していることは、結果として国土の多くのものが保護されていることとなる。

  

輸出額18億6千万ドルのニュージーランドのワイン産業は、7番目に経済に貢献している産業で、昨年は8%増を達成した。コロナ禍での制限の下、2020年の収穫は無事に終了し、ニュージーランドの長く暑い夏のおかげでいくつかの産地は過去最高のヴィンテージであると報じている。

 

これらサステイナブルへのコミットメントにより、素晴らしい景観と恵まれた気候を反映した、受賞歴に輝くワイン生産が可能になり、同国のワイン産業を世界的リーダーに押し上げた。

  

しかしながら、独特のアロマと風味を持つ高品質ワインで高い評価を確立しているというだけではなく、背景にはより沢山のストーリーがある。

  

今日、消費者は自分たちが選ぶワインや食べ物が信頼でき、サステイナブルなストーリーを持っているものだとの証拠を求めている。幸い多くの熱心で向上志向の強いニュージーランド人ワイン生産者達は、高品質ワインでの成功を目指しているのと同様に、環境への影響を減らすことにも注力している。

 

SWNZは国連の提示する持続可能な開発目標に合わせ、項目の追加と新規の重要国家開発計画を年末までに成立させる。水、廃棄物、害虫と病害、気候変動と人という5つの分野に焦点を当て、これらの要点を踏まえヴィンヤードやワイナリーのスコアカードを見直す計画を進める。

 

自然資源は地球の所有物であるという哲学の下、ニュージーランドワイン産業にとって、サステイナビリティにフォーカスすることは常に不可欠である。自然に敬意を表して扱う限り、人々は資源を自由に使ってよいとされている-これは保護と保証を意味する、カイティアキタンギというマオリの保護管理概念である。

  

地球環境を守るための責務を担い続けている多くの先駆者達や、革新的な技術により近年第一線で活躍している新進気鋭な生産者など、10あるニュージーランドワイン産地それぞれには、サステイナビリティにおける数多くの推進派が存在する。

  

 

サステイナビリティの動き

 

Bragato Research Institute - ブラガート研究所

 最近開設されたマールボロのブラガート研究所は、研究界において新天地を切り開いただけではなく、建物やオペレーション面でもサスティナビリティのモデルでもある。

  

2020年の収穫に間に合うよう2月末にオープンした研究所のワイナリーは、グリーンスターの五ツ星(5-star Greenstar)の基準に基づいて建設され、厳しい基準を満たしたマールボロ地域で最初の建築物となっている。

  

エネルギーや水、原材料などの不可欠な資源の使用を最小限に抑えることを目的としたデザインは、あらゆる環境への悪影響を回避している。持続可能なオペレーションを行うこの施設は、実験設備や生産工程、サステイナブルなワイナリー運営と共に、新たなテクノロジーやイノベーションを紹介する場となっている。

 

 

Rippon Wines, Wanaka - Central Otago - リッポン・ワインズ、ワナカ - セントラル・オタゴ

ワナカ出身のワインメーカーで、ニュージーランド南島ワナカ湖の湖畔に位置する、絵のように美しいヴィンヤードで有名なリッポンのニック・ミルズは、サステイナブルなワイン造りは長期的に効果をもたらすと強く信じており、四世代に渡る環境へのコミットメントが成果を生んでいるという。リッポンはオセアニアでベスト・ヴィンヤードに選ばれ、バイオダイナミックスの原則に基づき生産されているワインとして、現在世界第8位にランク付けされている。バイオダイナミックスの原則にはブドウの木やワインが土や環境にできる限り受け入れやすくすることが含まれる。ミルズ家はセントラル・オタゴ・ワイン業界での「5人のパイオニア・メンバー」の一つとして知られており、この先何世代にも渡って土地への献身を続けるつもりである。

 

 

Green tea antioxidant, Loveblock Wines - 緑茶の酸化防止剤

 ニュージーランドでは初めてとされるもう一つのイニシアチブは、ワイン醸造に緑茶を酸化防止剤として使用すること。南島アワテレ・ヴァレー地域のラブブロック・ワインズのクロフォード家は、オーガニックのソーヴィニヨン・ブランに亜硫酸塩(SO2)の代わりに天然の茶葉を使用するという新たな境地を開拓している。一部の人にさまざまなアレルギー反応を引き起こす保存料SO2の使用を止めるというラブブロックのビジョンの一部である。

 

ワインメーカー達は、2018年に上記醸造法を試みた際、ワインがピンクがかったという結果を受け、工程を改良し、現在は成功の方向へ向かっているという。人的介入を最小限に抑える農業を行うという哲学も成果を上げている。雑草をヴィンヤードの周りに生やしておくことで、ブドウの木を育てる土の中の栄養素がより競争し合うようになる。この作用は、ブドウの木につく葉が少なくなり、果実がより太陽を浴びることを意味する。

 

Craggy Range - tree planting programme - クラギー・レンジ - 植樹プログラム

ニュージーランドのクラギー・レンジ・ヴィンヤーズは、来年15万本以上の自生樹木や植物を植えることを目的とした、同国最大規模の生物多様性プログラムに着手した。

  

まずこの冬にクラギー・レンジのマールボロのヴィンヤード周辺に10万本を植樹する。この大規模な生物多様性への取り組みは土地や環境、人をよりよくするための計画の一部であると同社は述べている。植樹には、カヒケテアやトタラの高木の森林、草や低木の川岸の低地、ティ・コウカ(ニオイシュロラン)が含まれる。

 

主要な植樹と共に、追加の貯水設備を増やし、オーガニック生産にさらに重点的に取り組む。この生物多様性への取り組みはまた、クラギー・レンジが炭素隔離を利用して、その生産活動を相殺することの調査も可能にしている。

 

Ata Rangi - アタ・ランギ

数多くの受賞歴に輝く、マーティンボロー地域のワイン造りのパイオニア、アタ・ランギは、世界でも一握りのISO14001の認証を取得しているワイナリーの一つ。120エーカーのヴィンヤードは水、燃料、エネルギーの使用を減らすための厳しい指針に則って農業や収穫を行なっている。堆肥はブドウの梗や果皮、種、澱など、ワイナリーでの廃棄物を利用し敷地内で作られる。

生物多様性は、化学殺虫剤の代替として、土壌構造を強化するため促進されている。捕食性スズメバチはハマキガの抑制、自然の防風林に加え畝間への野草の植え付けに利用され、さまざまな益虫や微生物の生息場所を提供している。アタ・ランギ・ブッシュ・ブロックはプロジェクト・クリムゾンの一部で、象徴的なニュージーランド原生のラタやポフツカワの木の保護、修復を目的とした保護計画。

 

Yealands carbon neutral - イーランズのカーボンニュートラル

マールボロのアワテレ・ヴァレーのゆるやかな丘陵地帯は、ニュージーランドで唯一のトイツ・カーボンゼロ認定ワイナリーであるイーランズ・エステートの拠点でもある。同社は自給自足のために十分なエネルギーを生み出すことを最終目的とし、継続的な排出削減に取り組んでいる。ワイナリーにはニュージーランド最大級のソーラーパネル設備があり、独自の再生可能エネルギーを生成している。イーランズはヴィンヤードのトラクターからワインの梱包、出荷まで全ての二酸化炭素排出量を測定、これらの排出量を削減するための目標と戦略を設けている。

2008年8月にワインを発売して以来、イーランズは自然保護の取り組みに対して多数の重要な賞を受賞している。取り組みには、雑草管理のためにトラクターの代わりにミニチュア羊種である「ベイビー・ドール」を使っていることや、在来植物種を守り在来鳥を引き寄せるための20以上の湿地帯の開発が含まれる。

 

 

Pernod Ricard eliminate landfill waste - ペルノ・リカール 埋め立てゴミの廃絶

サステイナブルなワイン造りは、チャーチ・ロードやブランコット・エステートなど、売れ筋のブランドを生産しているニュージーランド最大のワイン・カンパニーの一つである、ペルノ・リカールでも積極的に取り入れられている。国内全てのヴィンヤードにおいて灌漑や害虫や病害のモニタリングを行なうことにより、ブドウの品質に妥協すること無く水の使用量を減らし、化学物質や人件費、機械のコストを削減している。その他の取り組みには、生物的な害虫や病害の抑止力を利用し化学スプレーから置き換えることで、ブドウの木の質がより良くなるよう土壌構造と苗床での収量の向上に役立てていることが含まれる。

 

 

Clos marguerite - harnessing the sun - クロ・マルグリット - 太陽エネルギーの利用 

マールボロ、アワテレ・ヴァレーの比較的遠く離れたヴィンヤード、クロ・マルグリットのジャン・シャルルとマルグリット・ヴァン・ホーヴは気候変動に対抗するため日光を利用し、電動自動車や灌漑、温水を全て太陽光でまかなうべく、3年計画で移行中である。

  

小さい太陽光パネルの小さな屋根からスタートしたワイナリーは現在、ほぼ自家発電として供給電源やガスはほとんど通っておらず、次は電動トラクターやワイナリーの冷却設備への利用を計画中。クロ・マルグリットの資源の消費量を削減するという決断は「気候変動との本当の戦い」の一部であるとジャン・シャルルは話す。「もし今の取り組みがうまくいかず、状況を変えられないのであれば、他のことで戦うに値するものはそう多くないと思う」

 

 

3Sixty2 and CarbonClick - 3Sixty2とカーボンクリック

マールボロのワイナリー、3Sixty2は、顧客の会計時にカーボンオフセットを提案するニュージーランド最初のワインメーカーとなった。3Sixty2は、人や企業が気候変動との戦いを容易にするニュージーランドの会社、カーボンクリックと提携している。決済ごとに、購入分に対する炭素排出量を相殺するという小さな貢献が含まれる。カーボンクリックは、ニュージーランドや世界中の森林修復や植樹、再生可能エネルギーへの取り組みに資金提供している。

 

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